辞める動機は将来に対する漠然とした不安みたいなものなので、この職場のここがクソ!みたいな所は無いです。むしろそこは最高だった。ただ自分に存在するだけの都合を会社になすりつけても誰も幸せにならないので……
WELQ問題から見えたアフィリエイトの構造的な問題
2016年頃までアフィリエイトに関しては「課金ブーストで最速でビジネスをスタートアップさせる手段」として有用かつ将来性があると考えていたが、そもそもアフィリエイトという広告のアプローチが不健全であることをWELQ問題(※ググれ)を通じて自覚したこと。例えば特定分野で効果に定評のあるAという商品に対抗してBという商品を作った所で、Bを売りたい生産者側の目線では費用対効果でアフィリエイトという商流を選んでいたが、その商流のエンドポイントである記事執筆者は本気で責任をもってその商品を紹介できるのかという課題に対して不誠実に振る舞った結果が例の問題を生んでしまった。
「ちょっとヤバいけどみんな興味あってちょっと高いから売れる」系の商材は以前と比べて退場しちゃったけど、まだ記事広告やインフルエンサーで細々と生き残ってるよね。
ネット広告を掲載する媒体の質が替わった
- 先の問題を踏まえてかどうか、匿名の情報源をもとにした購買促進の流れは概ね去って、発信者がある程度責任をもって能動的に発信するように変わった
- ここで中間業者であるアフィリエイトの立場は薄れ、「媒体主たるプラットフォーマー」対「広告主たる製作者」との取引へとシンプルに変わった
エンジニア的な旨味の消失
そんなこんなでアフィリエイト広告業界はレガシーな案件紹介のハブとしての機能でしかなく、その業界としてはネット広告の伸びと共に市場規模を膨らませつつも更に効率的なアドネットワークにシェアを奪われ、広告プログラムの提案より広告代理業やクリエイティブや販売手法までも含めた提案へとシフトしてゆき、エンジニア的な気持ちよさを味わう機会がこれ以上無いな、と思った。ゲームチェンジャーになる機会が見えない
そんなこんなの理由がありつつも世間はより効率的で洗練されたシステムを考え、その上でコンテンツとより紐付いた広告のありかたを模索してゆくなかで、シェアを落とさない、会社に利益をもたらす役割として振る舞うのがどうしても自分の人生として認められなかった。興味関心のブレ
インターネットに長年入り浸っている身でありながらも会社に入るまでJavaは1行も書いた事が無かったし、プログラミングもあくまでサービスを実現する手段でしかなかったので、情報処理の深淵に対して本質的な興味を抱くことが結局できなかった。やるからには全力を出すが、代わりにできる人が居ないから仕方なく勉強して仕方なく手を動かしているという感覚を常に持っている。もっと苦労したかった
自分の信頼獲得手法が悪かったのか単純にスペックが悪かったのかわからないのですが、もっと過労でぶっ倒れるくらい悩める仕事をしたかった。生まれと育ちを無駄にしたくなかった
天涯孤独で見知らぬ国からこの会社にやってきたら多分辞めてなかったのだけれど、ありがたい事に「何かに挑戦する」ための手札が会社の外で揃ってしまったので辞める事にした。人生というコンテキストの中で自分の人生を完成させるためには、途中で得た大切な何かを捨ててでも一つの道筋として前に進まなければならない。足踏みに甘んじてはいけない。
エンジニアとして働く90年生まれ。Web系技術を追っかけたり、PCガジェットや自転車いじりが趣味。オーディオオタク。