オンラインサロンのプラットフォーマーが乱立しない理由

計画したものの規格倒れした時の皮算用のメモ。

オンラインサロンの市場について

流行りのオンラインサロン、市場規模は昨年末には30億を突破したとのこと。

某絵本作家や大学?等のお笑い芸人の華やかな粗利がフィーチャーされていて、オンラインサロンは儲かる?といった話題は尽きない。
ただしこれはオンラインサロンのクリエイターに限った話で、プラットフォーマーにとっては結構厳しい戦いを強いられているのでは……と思って企画を途中で辞めた。

収益に関する皮算用

例えばオンラインサロンのマージン手数料の相場は6%~10%、決済手数料が1.5%だとすると格安マージンのプラットフォーマーの粗利は4.5%、この時点で市場を独占したとしても粗利は年間1億3,500万円にしかならない。
仮にシステム開発・運用保守を5人、営業・CS・管理部門で15人の20人体制で人件費をアルバイトを雇用する等して平均500万/年に押さえても年間1億円掛かり、結局3500万しか粗利が出ない事になる。そこに経費・固定資産のコストや法人税が乗ると赤字。
開発を1人でやって保守費用はインフラ含めて50万に押さえて、営業は1人でCSは放置……てな感じで固定費を200万未満でやれば20%のシェア(年間粗利2,700万)を獲得してやっと黒字が見えるか、といった所。あまり現実的じゃない

じゃあ付加価値(投げ銭やEC機能、サロン運用コンサル、アーカイブ配信、etc……)を付けたらどうなるか、って考えると結局それぞれに特化したサービスより優れた機能を提供するには開発費が掛かるし、そもそもサロンオーナーからすればサロン外でも活動した方が集客的にメリットもあるし囲い込むことは出来ないよね、という理由で諦めた。(逆に、強いプラットフォーマーがクリエイターを囲い込むためにオンラインサロン事業を買収する例は今後あると思うし、ベンチャーは出口として狙うはず)

今後オンラインサロンはどうなるのか

クリエイターにとっては夢のあるスキームなのだけれど、オンラインサロンとしてのサービスの品質の向上が今後あるかというとどの企業も「そこにかける金はない」という気持ちでいるのだと思う