また作ります。ハイ。
※使用パーツとかの備忘録も兼ねてるので箇条書きです
概要
ウクライナの工房(Striker Guitar Studio)から買った1インチUシェイプの1Pメイプルネックが眠ったままで、たまたま良さげなボディが手に入ったので組み上げてみます。
買ったもの
ネック
Etsyから購入。未塗装・未フレット。
この工房の木材は値段の割にめちゃくちゃキレイなワンピース柾目(細かい本柾目、といえるレベル)をしているのですが、ちょっとネックが日本の気候に合わないかな…という感じです。
(2本中2本ともシーズニングで逆反りして、横方向にも若干曲がった)
あとヴィンテージスペックなのでエンド幅が若干細い(実測で55.2~4mmだった)のでスカスカが嫌いな人は注意。
購入してから1年経ったので指板修正しつつ、FCGRの05番タイプのステンレスフレットを打ちます(Speedy)
ボディ
ヤフオクで購入。アッシュで1.7kg。
一応出品者は伏せますが、体重計の画像が掲載されているものです。軽い!
ただし未サンディングで若干打痕があったのと、後述で木部調整が必要だった。
アセンブリ等
せっかくの21F、軽量アッシュなのでトラディショナルで行きます。
POTはCTSの250kΩ、ブリッジはGOTOHのIn-Tuneブラスサドル、OAKの3Way、ワイヤーはベルデン8503にオヤイデのSS-47半田をチョイス。ピックアップはTONERIDERのHOT CLASSIC。
以前作ったFenderコンポと差別化するために、トゥワンギーな感じを狙います。本当に出来るかは不明。
組み立て
以前の反省から指板調整とフレット打ちはより念入りに、あとはちゃんとネックとブリッジをしっかりまっすぐに取り付けるところを意識します。
木工
軽いアッシュ材ではあるものの、不具合が2点。
- ネックポケット(+ネックのネジ穴)が弦通しの中心から1mmズレていた+ネックポケットが56.5mmくらい幅があったので、ネックポケットのザグりにメイプルの薄板を張るような調整が必要だった。
- よくよく見たらPUザグリも微妙にズレてたので、仮組みの状態からブリッジ&PUのマウント位置を微妙に調整する必要があったが許容範囲
- リアPUのザグリがネックに寄っていて普通にマウントするとピックアップが木部に掛かるため、少しザグる
ボディは以前調色した紫色のステインがまだ残っていたので使いました。導管は埋めずに、Xotic Oil Gelを重ね塗りして木のテクスチャが生きるようにします。
結果としては完全に狙い通りではなく…?といったところ。グラインダーも無いと削り出しのボディをきれいに整えるのが大変で、以前より気をつけたつもりがムラを無くすことは出来ず…。
まあ自作ギター感が出るので良いものとして、ある程度整えて妥協しちゃいました。
アセンブリ
ピックガードは中国から購入したものの、色々位置がだめだったのでお蔵入りしていた木製ピックガードを切り落としてフロントPUがダイレクトマウントにするようにする。材はエンジュ。反りは無いので意外と優秀なのかもしれない。
ピックアップはTONERIDER HOT CLASSICS(TRT2)というブロードキャスター系のピックアップが評判良い&ヤフオクに丁度出品されていたので購入。コンデンサはSCUDのVita-Q(CR-047VQ)。
PUキャビティ+コントロールザグリはFCGRの導電塗料にアンカービスを打って各種結線のち、POTに繋いでアースが通るようにします。
ナットは適当な中華牛骨ナットですが、収まりが良かったのでこれを使います。
完成
去年ネックを仕入れてからコツコツ組み上げた7万円ギター。くっそ軽いアッシュ材で3kg切り+オイルフィニッシュでクセがすごい #テレキャスター pic.twitter.com/i7MbmHXZ45
— みぜ (@mu_sette) April 7, 2024
はい。
1.7kgのアッシュ材にオイル塗装、チタン製ネックプレート(ヒールカット)、ハーフピックガード、アルミノブを組み合わせることでなんとか3kg切りを達成。軽いテレキャスターを弾いてみたかった( ・ิω・ิ)
費用
カテゴリ | 商品名 | 金額(概算) |
ネック | Striker Guitars製未仕上げネック | \21,500 |
ボディ | ヤフオクで買った荒削りアッシュボディ | \20,000 |
PU | TONERIDER HOT CLASSICS(SET) | \13,000 |
フレット | FCGR SP-SF-05S SPEEDY | \3,800 |
ペグとブリッジ | GOTOH SD91マグナムロック+In-Tuneブリッジ&サドル | \13,000 |
フェルール | FENDER VINTAGE STYLE | \1,650 |
ストラップピンとテンションピン | EP-B3, RG15 | \900 |
サーキット周り | Goldo製プレート+CTS POT+OAK 3Way+SCUDのビタQ | \7,000 |
ネックプレート | tatsuta Titanium Partsのヒールカット | \4,500 |
ジャックプレート | ESPのTE JACK SOCKET | \980 |
意外と掛かったけど組みたいパーツで組んだので実質タダみたいなもんです。
調整
ネックは一度フレットを打ってしまっていた(一応ざっくり砥の粉接着剤で補修したつもりなものの…)ので、フレットはハンマーで打つとどうしても他のフレットが浮くため、フレットプレス金具を手でネックに押さえつける荒業を使ったものの、みっちり密着とまでは行かなかったので次フレットを打つ時はプレス工具が欲しくなってきた(あるいは接着剤でフレッティングする方法を身につける)。
そんなこんなで何回かネックを取り外してすり合わせを繰り返して落ち着いたので一旦完成。
1.2~1.5mm(12F読み、弦の端まで)の弦高で気持ちビビる程度。このへんは弾きながら調整していきたいですね…
ちょっと気になったのがブリッジのコマの高さ。若干高さが出ているようで現状支障は無いものの、ネックポケットを調整してほんの少しネックが起き上がる方向に削ろうか思案中です。いまんとこ弦高とハイポジの詰まり方の兼ね合い的に最適な高さがこのあたりなので、よほど気になってきたら…という所ではあるのですが。
※後日ネックポケットを擦り合わせて写真から0.5mmくらいビスが下がるようにした
音はバカ鳴り系の生音との相関は不明ですが、倍音が豊かでバギャーンと出る感じ。TONERIDERいいっすね…ポジションによって若干デッドなところがあるのは軽いギターの宿命なのかもしれませんが、まあいろいろいじってみようと思います。
そもそも、このボディはアッシュなのか?
アッシュのテレキャスターを持っていないのでそもそもこの材がアッシュなのか?商品の説明だけでアッシュだと認識していますが本当はどうなんでしょう(疑心暗鬼)
見た感じ、弾いた感じはアッシュにしか見えないのですが、
- 大量に出品されていて、なおかつ名乗りが無い
- どこかのメーカーの選別落ちか、在庫整理?
- 生の木の匂いではないので製造されてから結構時間が経過している
- 出品が長野県なので「その説」は十分に合理性がある
- ブックマッチの中央でブリッジの穴が空けられている所がなんか職人っぽい
- 由緒の正しい北米産アッシュならわざわざ明記されているはず
- Fender規格ではない国産ギター特有のネックポケットの広さ
という状況もあり、和材アッシュ(タモ)なんじゃないかなあと思ってます。センとか似たような材の木目ではないし、ちょっと変な木取りですがしっかり鳴るので、良いものには違いないという認識で向き合う事にします。なんなら54ストラトですらアッシュではないサッサフラスの個体もあったり、復刻であえて使われているので良し悪しよりも個体差の方が重要。
※ジャパニーズアッシュの定義が「タモである」「センである」と2つの言説がある所とか、そもそも同一学名に色々な呼び名がある(産地とか個体差に依ってとか)所とか、そもそも北米アルダーであろうが悪いなものは悪いとか、材はどうであろうが個体差とセットアップ(相性)次第なので最終的には耳とフィーリングだけで考えるのが良さそう、という結論。
エンジニアとして働く90年生まれ。Web系技術を追っかけたり、PCガジェットや自転車いじりが趣味。オーディオオタク。