PRSモドキの調整

自作ギター

ギターの調整は!!!終わらねェ!!!(ドンッ)

ネックが…?

ネック、「なんか弦高下げ辛いけど何日か弾いてテンションある程度掛けた後、調整しつつすり合わせすれば良いかな~」と思ってよーく見てみた所、打たれてるフレットが、というよりネック全体がぐにゃぐにゃ至る所が歪んでいて、とてつもなくハイ起きしているのが分かった。というより普通に10-46の弦を張るだけでとんでもなくネックが動く。
一応クセを確認した上で指板かなり削ってHOSCOのステンレスフレット打って調整を試みたものの、弦を張ると波打つ様にネックがうねってどうしようもないので諦める。トラスロッドのテンションが正しく掛ってないんじゃないかって話もあるんだけど、でもこれ以上ロッド占めるとトンデモなく逆反りになって指板の削りシロがなくなってしまうし、ネック自体の高さ(1インチ)が足りず弦高を稼げなくなってしまうので、悪あがきでネックを調整するより他のブランドのネックを仕入れたほうがトータルで満足すると思い別のものを探すことに。

指板の削り方が左右アンバランスすぎ(6弦側が低くてブリッジ調整しても弦高を低くできない)
フレットと一緒に指板の角削りすぎ
なんか金属はみ出てる
ごまかせないレベルのチップ

Carparelliのネック3本仕入れて全部同じようなコンディションで、フレット打ち直したりリシェイプしたりといった試行錯誤の勉強道具にはなったので特にこれ以上何か言う気も無いのですが、もし購入を検討する場合はHPに掲載されている写真を見て、細部までしっかりチェックすることをおすすめします。
※どうやらアジア系のディストリビューターからOEMで仕入れているらしく、その時のロットによって工場が違うらしいので、私の運が悪かっただけという見方もできるため。

パーツキャスターとはいえ一番肝心なネックを妥協するワケにもならず、残念ながらCarparelliはお蔵入り。
どうやらCNCルーターで削っている(精度は出る)Freestone Guitarsというアメリカの工房があり、ebayで週替りのワンオフとオーダーメイドで売っていてパーツキャスター界隈の評判が良かったので吊るしの製品を買ってみた。ナット43mmは若干好みとズレるものの、製品写真は美しく、Jescarのニッケルフレットが打ってあり、材もユニークで面白そう。

無塗装状態
研磨と塗装、ナットの溝切り後の状態。弦は10-46

ネック側も収まりが良い。

買ったのはカナリア指板/チェリーネックで送料込2.4万円ほど。板目で高級感は無いですが適当に木材の浮き沈みを500-800のペーパーでならして、Xotic Oil Gelのオイル塗って弦を張って様子見たところ、いい感じのフィーリングになってしまった。1ヶ月ほど慣らした感じでも木が痩せたりフレット浮きも無いし、公式HPの通りすり合わせを最小限にローアクションにセットアップできるのでいい感じ。
ただ、私が買った個体は1lb 2.5oz(=524g)と明らかに重量が軽く、サペリボディが激重かつボディ厚4cmという薄さと合わさって弦の響きがネックに寄っている感じで、生鳴りは他の手持ちのギターと比べるとちょっと物足りない鳴り方をする。その分巻き弦の鳴り方が結構タイトでコードの分離感もよく、チャキチャキ鳴るから弾いて楽しい感じはあって良い。

ギターのボディ材の比重とネック材の比重のバランスで、めちゃ重い材を使ったボディ&めちゃ軽い材を使ったネック、という格好になったものの、この組み合わせ自体を評価するスキルが無いので保留。

ナットのスロッティング

いつ買ったか思い出せないのですが丁度43mm用のチタンのナットが溝にジャストフィットする感じ(3.4mm)だったので付けてみたものの、手持ちの腐ったナットファイルじゃ切れ味が悪かったのでHOSCOの溝切り工具(スロット型でゲージごとに刃を替えて使うやつ)を調達。チタンでもらくらく削れて、刃が負けることもないので結構良い。
ナット溝の切り方には諸説ある(大昔リペアに頼んだ職人曰く、STとLPでも仕込みが違うとか、そもそもでギターの調整においてトーンバランスを担う重要な箇所で云々、という説教をされた)ものの、一旦1フレット側が頂点となるように切りつつ、ペグと弦のポストの先よりやや上を狙ってナットの上面にまんべんなく弦が当たるように若干のアールを付けて挽く。

あんまりペグ側を浮かせすぎるとペグ側で共振が生まれちゃうので、鳴らしつつ丁寧に挽いていく。
金属ナットによる音質変化は諸説ありますが、本機はこれで「ブリッジプレート、サドル、ノブ、ネックプレート、ナット全てがチタン(ネジ類は除く)」の実験的ギターになるので、楽器としての性質を損なわない変化は全て好意的に受け取ります。

Alumitone配線見直し

Alumitoneのコイルスプリットの仕様がようやくわかり、2次コイルのどちらをアースに落とすかというところを排他で切り替えるというのがAlumitoneのブラックボックス化された配線の仕様になるらしい。2次コイルのアースを両方落とすと並列のコイルの接続になり、つまり合成インダクタンスはそれぞれより小さい値になり、結果のボリュームが非常に小さくなる。ここを抵抗やコンデンサーでゴニョゴニョした所でどうしようもないのでシンプルな排他のトグル回路に戻したところ、たしかにシングルコイルっぽい音が出るようになった(音量の低下はもちろんある)。

ただPUの高さを普通のギターの感覚で1.5mmとか2mmくらいまで近づけるとAlumitoneのポールピースの役割を持つクソデカマグネットが弦の振動を制御して非整数次倍音を奪っていくような感覚を受けるので、ボリュームを稼ぎにくいという課題が生まれてしまった(逆に歪みにくい特性を生かして、クリーントーンの可能性を検証してゆく予定)

ピックガード設置

このアングル好き

オイルフィニッシュだとピックや右手のスクラッチ傷がすぐに付いちゃったので100*60*2.5mmのアクリル板を加工して設置。誰も見ないんで加工が荒くても気にしない。
アテカンで適当に設置してみたものの、丁度右手の小指が当たるところまでカヴァーしてくれたのでこれは正解。アクリルの斜め加工を手作業でやったら不格好になっちゃったので、仕上がりというか収まりの良さを求めるなら頑張ってルーターとガイド作るべきだけど、ちょっと沼っぽいので妥協。

弾く

FujigenのExpert OSとGLIDEのテレキャスターをベンチマークに細かい箇所を調整していく。

なんかやっと納得できそうなフィーリングになった。Alumitoneの高さはリア6弦側で2.5mm程と、結構下げ気味なもののニュアンスの出方はこれくらいかな?という感じがする。
しばらくはこの仕様で弾き込んで馴染ませる予定。ヘッドにデカールでも貼ろうかしら。

久しくギターを弾いていなかったのであとは感性と表現力が楽器を追い抜いて物足りなくなるまでガシガシ弾くだけですね。

ギター改造はやるたびに反省点が見つかるので、宅録やスタジオでのアンサンブルを踏まえて改善を重ねていきたい。